問題行動の対応の流れ、「生徒指導提要」にありますよ

あまり数は多くありませんが教採の面接でも、暴力行為などへの対応が聞かれることがあります。教採のためというよりは現場入りしてから必要な知識となるので今のうちに整理しておくことを勧めます。

問題行動に関しては、生徒指導提要という文科省から出ている定番の資料があります。本屋さん行けば300円ぐらいで買うことができます。

さて、突然ですが次の(  )に入る言葉を考えて見てください。

学校内での暴力行為や喫煙などの問題行動が起きた場合は、学校は問題行動を起こした児童生徒はもとより他の児童生徒の健全な人格発達のために、時期を逃さず毅然とした指導をすることが大切です。まずは、当該児童生徒に迅速に(    )をしなければなりません。

生徒指導提要P157、問題が起きた時の対応です。現場経験のある方であれば生徒指導提要を読んだことがない方でもきっとわかる対応です。なんでしょうか?



…正解は「事実確認」です。言われてみればなんだそんなことか、と思うかもしれません。しかし、特に現場経験の無い方はいきなり指導の方に入ろうとしてしまいがちなので注意です。暴力行為や喫煙などの問題行動に対していきなり「厳しく指導します」とかはダメなんですよ。生徒をより良い方向へ変化させていくためにも、まずは現状を正しく把握するための「事実確認」が必須になります。事実確認は個別に聞き取り、複数の教員で対応、矛盾点がないように細部まで確認をします。生徒指導提要にはその後の対応の流れも書いてあります。

(1) 問題行動の迅速な事実確認

(2) 問題行動の原因の分析と個々の児童生徒に応じた指導方針の確立

(3) 希望を持たせる指導

(4) 保護者への説明と適正な手続

※(4)は(3)の直前に行われるのが現実的かと思います。

(2)の問題行動の原因の分析と個々の児童生徒に応じた指導方針の確立というのは、組織的に行うことが重要になります。「この子は〇〇なところがあるので〇〇な話を中心に話をしていこう」「〇〇さんとの関係が良くないようだからその点についてはどうしますか?」など複数の教員が知恵を出し合ってより効果的な指導になるようにします。担任の先生が一人で抱え込んだりするのはNGで、多くの関係者と協力して指導をするのです。児童生徒の実態に応じてどのような指導のアイディアがあるか?という点は教採の場面指導に対応するでしょう。



(3) の希望を持たせる指導は反省期間中の対応です。別室で教科指導や説諭を行うことが中心になるでしょう。教科指導は勉強面での遅れを小さくし、次の問題行動を起こさせにくくする効果もあります。また、説諭については共感的な態度で指導をすることも必要です。「君がそうしたくなった気持ちもわかる…でもこういう行為はいけない」などと話をするわけです。どんな風に話をしていくのか、という点も教採の場面指導に対応するでしょう。

(4) の保護者への説明は問題行動の事実関係、問題行動に至った経緯や背景、特別な指導内容の説明などです。保護者が不満を持っている場合には意見を聞く必要もあります。実際には(4)で保護者の話を聞いてある程度納得してから(3)に入るのが普通でしょう。

以上、生徒指導提要に書かれている、問題行動を起こした児童生徒への指導の進め方です。

・「事実確認」がまず最初

・複数で対応して指導を決定する。一人で抱え込まない。

・保護者へ説明、意見を十分に聞く

・別室などで教科指導、話

説諭の仕方や生徒への接し方について人それぞれアイディアがあっても良いかもしれませんが、組織的な対応のためにも、問題行動への手順はある程度決まっているのだという点は知っておく必要があるでしょう。

では最後に、場面指導に出てきそうな質問を載せておきますので自分ならどうするかを考えてみてください。

「生徒間のトラブルである生徒がガラスをほうきで叩いて割ってしまった。『弁償すればよいだろう』と言ってきたとき、あなたはどう対応するか。」

「学校への通勤途中にタバコを吸っている生徒を発見した。どう対応するか。」

では。