【解説050】学習指導要領の変遷は流れで覚える

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2017年度、小中高の新しい指導要領が発表された。このような時期は指導要領の変遷についての出題の可能性が高まるので是非対策をしておきたい。

法的拘束力を持つようになた昭和33年(1958年)からはじまり、学習指導要領は概ね10年に1回のペースで改訂が行われてきた。表にまとめると次のようになる。次の表をマスターすれば大抵の自治体の学習指導要領変遷問題は解ける。

①S33 ②S43 ③S52 ④H1 ⑤H10 ⑥H20 ⑦H29

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以下、ちょっと補足。第1次から第3次は内容を拡充して行ったがやりすぎたのでちょと減らそうね、という流れである。ちょっと古い内容なので歴史的背景も踏まえて説明をしておく。

第1次(昭和33年(1958年))…戦後すぐの教育が自由すぎて学力低下を招いたので、系統性を重視

第2次(昭和43年(1967年))…ソ連の人工衛星の技術が米国よりも進んでいることに衝撃を受けた「スプートニク・ショック」により、教育内容が一気に増加・難化

第3次(昭和52年(1977年))…第2次であまりにも難しくなって”落ちこぼれ”などの問題から、「ゆとり」ある学校生活を実現(しようとした)。「ゆとり」という言葉がでるのはこの改訂から。



第4次以降も学習内容を減らす動きが続くが、2008年の改訂からは内容を拡充する動きに変わり、現在に至る。第4次以降は特徴的なキーワードで覚えておこう。

学習指導要領(平成の4改訂)

第4次(平成元年(1989年))…生活科の新設

第5次(平成10年(1998年))…生きる力、総合的な学習の時間の新設、情報科の新設

第6次(平成20年(2008年))…言語活動の充実、外国語活動の新設

第7次(平成29年(2017年))…主体的・対話的で深い学び

では演習。今回は並び替え。

(演習)次の学習指導要領の改訂の特徴に関する記述ア〜オを、改訂された年代の古い順に並べよ。
ア 教育課程の基準として文部大臣が公示するものと改め、小学校、中学校に道徳の時間を特設して道 徳教育を徹底して行うようにした。
イ 知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童・生徒の育成等を基本方針として、各教科等の標準授業 時間数を削減し、地域や学校の実態に応じ、創意を生かした教育活動を展開できるようにした。
ウ 多くの知識を一方的に教え込む教育を転換し、自ら学び自ら考える力の育成を重視する観点から、 総合的な学習の時間の創設や各教科での体験的な学習や問題解決的な学習の充実を図った。
エ 算数における集合の導入など、時代の進展に対応した教育内容を導入し、各教科等の授業時数を最 低時数から標準時数に改めた。
オ 社会の変化に主体的に対応できる能力の育成や創造性の基礎を培うことを重視するとともに、自ら 学ぶ意欲を高めることなどを基本方針とし、小学校低学年に生活科を新設した。

(解答)ア→エ→イ→オ→ウ

ア→「文部大臣が公示するものと改め」、「道徳の時間を特設」から昭和33年(1958年)の第1次の内容。

イ→「知・徳・体」というキーワードから昭和52年(1977年)の第3次の内容。(消去法でもわかる)

ウ→「総合的な学習の時間の新設」などから平成10年(1998年)の第5次の内容。

エ→「時代の進展に対応した教育内容」などガンガン教えてやるという雰囲気から昭和43年(1968年)の第2次の内容。

オ→「小学校低学年に生活科を新設」から平成元年(1989年)の第4次の内容。

ということで古い順に並べると、ア→エ→イ→オ→ウとなる。

繰り返すが、並べ替えの問題は学習指導要領改訂の時期によく出題されるので、大きな流れとキーワードを押さえて確実に解答できるようにしておこう。

今回は以上。おつかれさまでした。

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