[27/50]総合教育会議は首長と教育委員会による会議。教育行政の「大綱」の制定などを行う

「総合教育会議」は、 2015年度にできた制度で、首長(知事・市長など)が教育行政に関与しやすくするためのものである。総合教育会議の特徴は、

「総合教育会議」の特徴

・首⻑が招集
・会議は原則公開
・構成員は首⻑と教育委員会
・会議を経て、教育行政の「大綱」が制定される
(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第1条の3、4)

などがあげられる。

ところで、教育基本法第17条第2項を受けて、各地方公共団体(の教育委員会)は、地方版「教育振興基本計画」を制定する努力義務が課せられている(例えば東京都であれば「東京都教育ビジョン」)。
目指す教育の方針を示すという意味で、この地方版「教育振興基本計画」と、教育行政の「大綱」は若干役割が被っている。なお、「地方公共団体において、教育基本法第17条第2項に規定する教育振興基本計画その他の計画を定めている場合には、その中の目標や施策の根本となる方針の部分が大綱に該当すると位置付けることができると考えられることから、地方公共団体の長が、総合教育会議において教育委員会と協議・調整し、当該計画をもって大綱に代えることと判断した場合には、別途、大綱を策定する必要はないとされている。 」(H26.7.17 文部科学省通知)とされ、この場合は地方版「教育振興基本計画」を「大綱」の代わりにしてもよいとされている。

ここで、教育委員会内の(総合教育会議ではないほうの)"通常の"会議についても書いておく。

「教育委員会の(通常の)会議」の特徴

・教育⻑が招集
・会議は原則公開
・原則として教育⻑及び在任委員の過半数が出席で会議を開く
・議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、教育⻑が決する
(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条)

では演習。

演習問題

各種法令に照らして、次の文の正誤判定をせよ。
(1) 教育委員会の会議は、公開しない。ただし、人事に関する事件その他の事件について、教育⻑又は委員の発議により、出席者の3分の 2 以上の多数で議決したときは、これを公開することができる。
(2) 総合教育会議は、教育⻑が招集するが、当該地方公共団体の⻑は、その権限に属する事務に関して協議がある場合においては、当該地方公教団体の教育⻑に対し総合教育会議の招集を求めることができる。
(3) 教育⻑は、国の教育振興基本計画を参考にして、当該地方公共団体の実態及び児童・生徒の実態に応 じ、当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めなければならない。

解説

今回は以上。お疲れ様でした。

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