(5つの基本的な方針)
○ 本計画においては、上述の総括的な基本方針の下、以下の5つの基本的な方針を定める。
①グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成
②誰一人取り残されず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進
③地域や家庭で共に学び支え合う社会の実現に向けた教育の推進
④教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
⑤計画の実効性確保のための基盤整備・対話
① グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成
(社会の持続的な発展に向けて)
○ 将来の予測が困難な VUCA と言われる時代の中で、個人と社会のウェルビーイングを実現していくためには、 社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成が必要である。 グローバル化やデジタルトランスフォーメーションは労働市場に変容をもたらしており、これからの時代の働き手に必要となる能力は変化している。 AI やロボットによる代替が困難である、新しいものを創り出す創造力や、他者と協働しチームで問題を解決するといった能力が今後一層求められることが予測され、こうした変化に教育も対応していく必要がある。
○ 少子化・人口減少が著しく進展する我が国がこれからも活力あふれる社会として持続していくため、質の高い教育により一人一人の生産性や創造性を一段と伸長させていくことが急務であり、以下に示す取組を進めていかなければならない。
(主体的に社会の形成に参画する態度の育成と価値創造の志向) 略
(主体的・対話的で深い学び、アクティブ・ラーニング、大学教育の質保証) 略
(グローバル人材育成) 略
(持続可能な社会の創り手の育成に貢献する ESD(持続可能な開発のための教育)の推進)
○ 持続可能な開発のための目標(SDGs)の実現に貢献する ESDは、現代社会における地球規模課題の諸課題を自らに関わる問題として主体的にとらえ、その解決に向けて自分で考え、行動する力を身に付けるとともに、新たな価値観や行動等の変容をもたらすための教育である。
○ ESDの推進はグローバル人材の育成にも資する取組であり、多くの児童生徒学生等がグローバルな環境を体験する機会を与えられることが求められる。
(多様な才能・能力を生かす教育) 略
(地域・産学官連携、職業教育) 略
(マルチステージの人生を生涯にわたって学び続ける学習者の育成)
○ 人生100年時代は、同一年齢での単線的な学びや進路選択を前提とした人生のモデルから、一人一人の学ぶ時期や進路が複線化する人生のマルチステージモデルへと転換することが予測されている。こうした社会の構造的な変化に対応するため、学校教育における学びの多様化とともに、社会人の学び直し(リカレント教育)をはじめとする生涯学習の必要性が高まっている。
職業に直結した学びのほかにも、ライフステージの変化(例えば結婚、出産、育児、介護、病気、退職など)に応じて生じる様々な悩みの中で、「人生を豊かにするための学び」や「他者との学びあい」を身近なものとすることが重要である。また、高齢者を年齢によって画一的に捉えることなく、第二の人生を生きる個人の意欲や能力を生かすエイジフリーな社会に対応した学習機会の確保も重要であり、国や地方公共団体等は個人が生涯にわたって学習する機会を得られるよう条件を整備する必要がある。
(リカレント教育を通じた高度専門人材育成) 略
②誰一人取り残されず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進
(共生社会の実現に向けた教育の考え方)
○ 誰一人取り残されず、相互に多様性を認め、高め合い、他者のウェルビーイングを思いやることができる教育環境を個々の状況に合わせて整備することで、つらい様子の子供が笑顔になり、 その結果として自分の目標を持って学習等に取り組むことができる場面を一つでも多く作り出すことが求められる。
○ その際、支援を必要とする子供やマイノリティの子供の他の子供との差異を「弱み」として捉え、そこに着目して支えるという視点だけではなく、そうした子供たちが持っている「長所・強み」に着目し、可能性を引き出して発揮させていく視点(エンパワメント)を取り入れることも大切である。このことにより、マイノリティの子供の尊厳を守るとともに、 周りの子供や大人が多様性を尊重することを学び、 誰もが違いを乗り越え共に生きる共生社会の実現に向けたマジョリティの変容にもつなげていくことが重要である。
○ また、一人一人のニーズに合わせた教育資源の配分を行うという「公平、公正」の考え方も重要となる。「多様性」、「包摂性」に「公平、公正」を加え頭文字を取ったDE&I(Diversity, Equity and Inclusion)の考え方も重視されてきている。
(共生社会の実現に向けた教育の方向性)略
③地域や家庭で共に学び支え合う社会の実現に向けた教育の推進 略
④教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
(DXに至る3段階)
○ デジタル化には一般に「デジタイゼーション」、「デジタライゼーション」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の3段階があると言われている。第1段階のデジタイゼーションは紙の書類などアナログな情報をデジタル化することを表し、例えば紙のプリントをデジタル化して配信することがこれに該当する。第2段階のデジタライゼーションは、サービスや業務プロセスをデジタル化することを表し、例えば紙の教材を組み合わせている現状から、デジタル教材のリコメンドを参考に教材の最適な選択を行うことができるようになることがこれに該当する。第3段階のデジタルトランスフォーメーションは、デジタル化でサービスや業務、組織を変革することを指し、例えば教育データに基づく教育内容の重点化と教育リソースの配分の最適化が該当する。
○ GIGA スクール構想による1人1台端末の実現をはじめ、第3期計画期間中に全国の小中高等学校等における ICT 環境整備は飛躍的に進展した。 これにより第1段階の準備は整ったところである。今後は、全ての学校において第1段階を着実に実行しつつ、当面、第3段階を見据えながら、全国全ての学校で、第1段階から第2段階への移行を着実に進めることが求められる。その際、デジタル技術とデータを活用して知見の共有と新たな教育価値の創出を目指す将来的な第3段階の構想について、ICT 活用やデータ利活用のイメージを教育行政や教師をはじめとする教育関係者が共有した上で取組を進めるとともに、第3段階に相当する先進事例の創出に取り組むことが重要である。イメージは、利活用の場面(教育や学習のリソースとしてのデジタルの活用、教育データの利活用など) の分類・整理をした上で示すとともに、そこに至るまでにクリアすべきハードル・時間軸を整理していくことが有用である。また、DX時代の到来に備えて、制度設計を見直していく検討も求められる。
(各学校段階における教育 DXの推進) 略
(デジタルの活用とリアル(対面)活動の重要性) 略
⑤計画の実効性確保のための基盤整備・対話 略
Ⅲ.今後の教育政策の遂行に当たっての評価・投資等の在り方 略
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