おまとめプリント2020

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【解説083】生徒指導提要は全8章。第5章は教育相談。

今回は生徒指導のノウハウ本とでもいうべき「生徒指導提要(ていよう)」について。生徒指導提要は、教採が終わっても現場で参考になる可能性があるので、内容を整理しておくことをお勧めする。

では、章ごとにどんな内容がかいてあるのか、概要をまとめる。もちろんここではざっくりとしかまとめられないので、必要に応じて実際の本を参考にして欲しい(書店で数百円で買える)。

第1章 生徒指導の意義と原理

生徒指導の定義や目的についての章。最低でも生徒指導の定義は押さえよう。生徒指導は特定の場面でビジバシ生徒を縛るものではなく、学校現場のいろいろな場面で生徒が伸びていくようにするものであると述べられている。

 生徒指導とは、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めることを目指して行われる教育活動のことです。

(中略)

各学校においては、生徒指導が、教育課程の内外において一人一人の児童生徒の健全な成長を促し、児童生徒自ら現在及び将来における自己実現を図っていくための自己指導能力を目指すという生徒指導の積極的な意義を踏まえ、学校の教育活動全体を通じ、その一層の充実を図っていくことが必要です。

「人格」という言葉は教育基本法の「人格の完成」というところからきているようである。また、「自己指導能力」というワードにも慣れておこう。



第2章 教育課程と生徒指導

生徒指導は学校現場のいろいろな活動と大いに関係してますよ、という章。たとえば教科指導では授業の場で居場所を作る、わかる授業を行う、グループ活動で協力して学ぶ大切さを実感させるなど。他にも道徳教育、総合的な学習の時間、特別活動など、学校現場のいろいろな活動の中で生徒指導が行われることを示している。

第3章 児童生徒の心理と児童生徒理解

指導の前にちゃんと児童生徒の現状を理解しましょう、という章。児童期青年期の心理と発達の理論が前半。後半は、観察法、面接法、質問紙調査法など、どのように情報を収集するのか、具体的方法が記載。

第4章 学校における生徒指導体制

生徒指導をチームで行うために整えるべき仕組み。教職員全体で共通理解が必要なこと、生徒指導主事の役割と求められること、研修制度や資料の扱い、指導体制の振り返りなど組織として必要なことが書かれている。



第5章 教育相談

よく出題される、

・第1節 教育相談の意義

・第3節 教育相談の進め方

・第4節 スクールカウンセラー、専門機関等の連携

から整理する。

「第1節 教育相談の意義」より

教育相談と生徒指導の相違点について書かれた部分を引用する。

教育相談と生徒指導の相違点としては、教育相談は主に個に焦点を当て、面接や演習を通して個の内面の変容を図ろうとするのに対して、生徒指導は主に集団に焦点を当て、行事や特別活動などにおいて、集団としての成果や変容を目指し、結果として個の変容に至るところにあります。

「第3節 教育相談の進め方」より

教育相談で用いるカウンセリング技法(つながる言葉かけ、傾聴、受容、繰り返しなど)が具体的に示されていて参考になるだろう。

また、「教育相談の新たな展開」という節では、次のような手法が紹介されている。英語の意味を覚えてしまうのが手っ取り早いだろう。

グループエンカウンター

「エンカウンター」とは「出会う」という意味です。グループ体験を通しながら他者に出会い、自分に出会います。人間関係づくりや相互理解、協力して問題解決する力などが育成されます。集団の持つプラスの力を最大限に引き出す方法といえます。学級作りや保護者会などに活用できます。

ピア・サポート活動

「ピア」とは児童生徒「同士」という意味です。児童生徒の社会的スキルを段階的に育て、児童生徒同士が互いに支えあう関係を作るためのプログラムです。「ウォーミングアップ」「主活動」「振り返り」という流れを一単位として、段階的に積み重ねます。

ソーシャルスキルトレーニング

様々な社会的技能をトレーニングにより育てる方法です。「相手を理解する」「自分の思いや考えを適切に伝える」「人間関係を円滑にする」「問題を解決する」「集団行動に参加する」などがトレーニングの目標となります。

障害のない児童生徒だけでなく発達障害のある児童生徒の社会性獲得にも活用されます。

アサーショントレーニング

「主張訓練」と訳されます。対人場面で自分の伝えたいことをしっかり伝えるためのトレーニングです。「断る」「要求する」よいった葛藤場面での自己表現や、「ほめる」「感謝する」「うれしい気持ちを表す」「援助を申し出る」といった他者とのかかわりをより円滑にする社会的行動の獲得を目指します。

アンガーマネージメント

自分の中に生じた怒りの対処法を段階的に学ぶ方法です。「きれる」行動に対して「きれる前の身体感覚に焦点を当てる」「身体感覚を外在化しコントロールの対象とする」「感情のコントロールについて会話する」などの段階を踏んで怒りなどの否定的感情をコントロール可能な形に変えます。



ストレスマネジメント教育

様々なストレスに対する対処法を学ぶ手法です。はじめにストレスについての知識を学び、その後「リラクゼーション」「コーピング(対処法)」を学習します。危機対応などによく活用されます。

ライフスキルトレーニング

自分の体や心、命を守り、健康に生きるためのトレーニングです。「セルフエスティーム(自尊心)の維持」「意志決定スキル」「自己主張コミュニケーション」「目標設定スキル」などの獲得を目指します。

喫煙、飲酒、薬物、性などの課題に対処する方法です。

キャリアカウンセリング

職業生活に焦点を当て、自己理解を図り、将来の行き方を考え、自分の目標に必要な力の育てかたや、職業的目標の意味について明確になるようカウンセリング的方法でかかわります。

「第4節 スクールカンセラー、専門機関等との連携」より

スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)の説明がなされた部分を取り上げる。

スクールカウンセラーは心の専門家として、公立の小学校、中学校、高等学校等に児童生徒の臨床心理に関して、高度に専門的な知識・経験を有する者と位置付けられ設置されています。

スクールソーシャルワーカーは、社会福祉の専門的な知識、技術を活用し、問題を抱えた児童生徒を取り巻く環境に働きかけ、家庭、学校、地域の関係機関をつなぎ、児童生徒の悩みや抱えている問題の解決に向けて支援する専門家です。



第6章 生徒指導の進め方

最も分量が多い章。パート1が児童生徒全体への指導、パート2が個別の課題を抱える児童生徒への指導、となっている。パート1は連携の大切さや教職員の役割、守秘義務と説明責任など生徒指導を行う上での必要な知識がまとめられている。パート2では飲酒、暴力、いじめ、虐待など具体的なケースごとに対応がまとめられている。

第7章 生徒指導に関する法制度等

出席停止制度や体罰の禁止などの法律に関する知識である。

第8章 学校と家庭・地域・関係機関との連携

地域連携についてかかれている。

では演習。

(演習)

問1. 「生徒指導提要」(平成22年3月 文部科学省)に示された内容に関する次の記述ア〜オのうち、 正しいものを1つ選べ。

ア 生徒指導は、授業や休み時間、放課後、部活動や地域における体験活動の場においても必要であるが、その際、問題行動などの目前の行動に対応するだけにとどめる必要がある。

イ 教育相談と生徒指導の相違点は、教育相談は主に個に焦点を当て、面接や演習を通して個の内面の変容を図ろうとするのに対し、生徒指導は主に集団に焦点を当て、行事や特別活動などにおいて、集団としての成果や変容を目指し、結果として個の変容に至るところにある。

ウ 生徒指導を行うための資料収集の方法の1つとして質問紙調査法があり、この方法は学級、学年、学校といった集団の傾向の理解というよりは、児童・生徒一人一人の理解を進めるのに用いられる。

(解)→イ

アは目前の行動の対応だけにとどめる、というのが間違い。(テクニック的なことであるが、一般的に、教採の文で「〜だけ」とか「〜のみ」という否定や限定の表現は誤りである可能性が高い。教育の方法を語るときに、限定的に言い切れるようなものはほとんどないだろう。)

ウは質問紙調査法は一人一人の理解を進めるというよりは、集団の傾向を把握するのに使える、とされる。



問2. (   )内に入る適切な用語を次の選択肢の中から選べ。(2016年実施16)

【選択肢】アサーショントレーニング、構成的グループエンカウンター、ソーシャルスキルトレーニング、ピア・サポート

(1) 自分や他者の欲求や感情をできる限り生かした自己表現をするために、日常生活での具体例を設定したロールプレイを通して、非主張的や攻撃的ではなく、相手も自分も大切にする自己表現の方法を学ばせる手法を(    )という。

(2) 自分の中に生じた怒りの感情をコントロールするために、自分自身の怒りの根本にある原因や問題について理解したり、段階を踏んで怒りの感情をコントロール可能な形に変えたりする方法を身に付けさせるトレーニングのことを(    )という。

(3) 仲間同士が互いに思いやる人間関係を育むために、仲間同士の支援に向けて、意欲を高めたり、支援のためのプランニングをしたり、実際に支援活動をしたりすることなどを通して、仲間を支援する力を育てるプログラムのことを(     )という。

(4) 対人不適応の解消や予防のために、「教示」、「モデリング」、「行動リハーサル」、「フィードバック」、「強化」などの過程を通して、より社会的に望ましい行動を新たに獲得していくトレーニングのことを(     )という。

(1) →アサーショントレーニング (2) →アンガーマネジメント (3) →ピア・サポート (4) →ソーシャルスキルトレーニング

今回は以上!

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