ここまであまり扱ってこれなかった用語を回収していく。
サイモンズ「親の養育態度の分類」
サイモンズは、親の子どもに対する養育態度によって子どもの性格形成が大きく左右されることを示した。保護-拒否、支配-服従という二次元で区分し、養育態度を4つの型に区分。次の図を参考に。

ヴィゴツキー「発達の最近接領域」
・発達水準…子どもが自主的に解決できること
・明日の発達水準…自主解決は不可能でも、適当な助言や教示があれば解決可能
上記2つの水準の間にある領域を「発達の最近接領域」という。
ローレンツ「インプリンティング」
インプリンティングは刷り込みともいい、生後間もなく習得される動物の行動様式がその後の習性として維持されること。鳥などが、生まれた直後に見た動くものを親だと思い込むという実験が有名。
ボウルヴィ「アタッチメント」
親子の関わりが日々繰り返されるうちに次第に子どもと親との間に情愛的な結びつきが形成される。この結びつきをアタッチメント(愛着)という。乳児の示す泣き声などの情緒的信号に対する親の反応の仕方によって愛着の個人差が大きく変化するとされる。
では演習。
(演習)
次の文の( )に適する人物名を、次の選択肢の中からそれぞれ選べ。
【選択肢】サイモンズ、ヴィゴツキー、ローレンツ
(1) ( )は、ハイイロガンの雛がふ化後、初めて出会った動く対象に対して、それが母鳥であれ人間であれ、あるいは一輪車でさえ、後を追っていくことを発見したことから、学習には、その成立が出生直後のある一定の短い期間に限られ、いったん成立すると極めて安定的であり、後の行動に影響を与えるものがあることを明らかにした。
(2) ( )は、親子関係の基本的な軸として、支配-服従、受容-拒否という二つの次元を設定し、これらの組合せから養育態度を四つの型に分類した。
(3) ( )は、広く認知過程一般の研究に目を向け、概念発達の方略、認知の発達の研究等で成果を挙げた。スキャフォールディングという考え方を基盤として、文化的発達は大人と子供が共同で行う精神間機能から、子供が一人で行う精神内機能へと進むという考え方を教授や学習と発達に当てはめた「発達の最近接領域」という概念を提唱した。また、認知的心理学の知見を科学教育の中に活用しようと務めた。
(1) →ローレンツ (2) →サイモンズ (3)→ヴィゴツキー
今回は以上!