【解説063】ハヴィガーストの発達課題、コールバーグの道徳性の発達段階説、マズローの欲求階層説

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今回も段階がある理論です。

ハヴィガーストの発達課題

前回のエリクソンと同様に、ハヴィガーストは各発達段階ごとに達成すべき課題(発達課題といいます)を示した。人が社会の一員として健全な成長をするために、期待される社会的役割に注目して設定された。

ハヴィガーストの発達課題

1.乳幼児期(0〜6歳)

・歩行の学習

・固形の食物をとることの学習

・話すことの学習

…など

2.児童期(7〜12歳)

・日常の遊びに必要な身体的技能の学習

・同じ年頃の仲間とうまく付き合う学習

・読み書き計算の基本的技能の学習

…など

3.青年期(13〜18歳)

・男性または女性としての社会的役割の獲得

・両親や他の大人からの情緒的自立

・経済的独立の自信の確立

…など



コールバーグの道徳性の発達段階説

コールバーグは道徳性という観点から、3水準6段階からなる発達段階を示した。

道徳性というキーワードだけ覚えておき、以下の区分は眺めておく程度でよいだろう。

コールバーグの道徳性の発達段階説
[前慣習的水準]

第1段階…罪の回避と権威への服従

第2段階…自己の利害を優先する利己的な志向

[慣習的水準]

第3段階…周囲の期待に応えて「よい子」を志向

第4段階…権威と社会秩序の維持

[後慣習的、自発的水準]

第5段階…正しさは個人的な価値や意見の問題でそれが相対的であることを認識する

第6段階…普遍的かつ原理的な志向



マズローの欲求階層説

発達というよりも欲求理論になるが、雰囲気が似ているのでここで扱っておく。マズローは人間の諸欲求はピラミッドのように階層的な秩序をなしていて、下段の欲求が満たされるとその上の欲求へと向かうと考えた。

低次の欲求から順に、「生理的欲求」「安全欲求」「所属・愛情欲求」「承認・自尊欲求」「自己実現欲求」となります。「自己実現欲求」より前の4つの欲求をまとめて「欠乏欲求」といい、自己実現欲求は「成長欲求」とも言う。

では演習。

(演習)

次の文の( )に適する人物名を、次の選択肢の中からそれぞれ選べ。

【選択肢】ハヴィガースト、コールバーグ、マズロー

(1) (     )は、人間の欲求を、生理的欲求、安全の欲求、愛情と所属の欲求、承認と尊重の欲求、自己実現の欲求と階層的に捉え、低階層の欲求が満たされるとより高次の階層の欲求を求めると考えた。さらに、これらの階層を欠乏欲求と成長欲求の二つに大別した。愛情と所属の欲求は、他者と親密になり他者から承認されたいといった欲求であり、欠乏欲求であるとした。

(2) (    )が提唱した道徳的判断に関連する認知過程は、いくつかの異なる段階を経て発達するという理論である。この理論は、前慣習的水準、慣習的水準、後慣習的水準の3水準に分けられ、さらにそれぞれの水準が二つの段階をもつ構造の3水準6段階説となっている。

(3) (     )は、人生を六つの段階に分け、個人が健全に成長し、社会に適応するため、各発達段階で達成しなければならない課題を提唱した。

(解)

(1) →マズロー (2) →コールバーグ (3)→ハヴィガースト

今回は以上!

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