[49/50]投影法による性格検査。インクのシミが何に見えるか答えるロールシャッハ・テスト、漫画の吹き出しセリフを埋めるP-Fスタディ、木の絵をかくバウム・テスト

前回扱った質問紙法は、質問に「はい・いいえ」などで答えるような形式であると紹介した。それに対して今回の投影法は、思ったことを言ったり、文章や絵を描いたりなど自分の内面をそのまま表現することが特徴となる。採用試験など受験者が多くいるような用途には向かないが、特定の被験者の内面を丁寧に把握する際に有効である。

今回は投影法の中から3つ紹介する。

インクのシミが何に見えるか答えるロールシャッハ・テスト

左右対称のインクのシミをみて、何に見えるか答えてもらい、その反応の仕方から人格特徴を診断する。この検査結果から外界との関わり方、欲求、情緒の処理の仕方、現実吟味力などの情報がもたらされる。ロールシャッハテストの「インクのシミ」画像を見たことがない方は是非調べてみると良いだろう。

漫画の吹き出しセリフを埋めるP-Fスタディ

Picture-Frustration Studyの略で日本語では絵画欲求不満検査という。ローゼンツヴァイクという人が考案した。日常生活で起こりうる欲求不満場面が描かれており、いずれも、左側の話しかけている人物が右側の人物に不満を起こさせている。被検査者の判断で右側の人が答える言葉を吹き出しに書いてもらい、その反応から性格を診断する。

木の絵を描くバウム・テスト

バウムっていうのはドイツ語で木のことである。(「バウムクーヘン」というお菓子は木を切ったときの断面に似ているからつけられた名前だそう 。)。白い画用紙と鉛筆消しゴムを与えて実のなる木を自由に描いてもらう。その木がどのように描かれたのかを見ることで性格検査を行う。木は地面に対して直立し展開するという性質から自己像が投影されやすいとされている。

では演習。

演習問題

次の文の(   )に入る適切な語句を選択肢の中から選べ。
(1) (     )は、左右対称のインクのしみからなる10枚の図版を1枚ずつ提示して、「何に見えたか」、「どこに見えたか」、「どうしてそのように見えたか」などを被検査者に問い、その回答から測定する。
(2) (     )は、被検者に実のなる木を1本描かせ、被検者の心理状態をさぐろうとするもので、描かれた木には自己像が投影されると考えられている検査である。
(3) (     )は、被検者に欲求不満場面のイラストを見せ、登場人物の発言を想像させ回答させることで、外罰、内罰、無罰の各型の人格傾向を見いだす検査である。
【選択肢】ロールシャッハ・テスト、P-Fスタディ、バウム・テスト

解説

今回は以上!

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