[19/50]教員は1年間の条件付での採用、臨時的任用は6ヶ月の任用で更新は1回まで

まず正規採用についての話を。教員の正規の採用は、一般の地方公務員と同じで「条件付き」の採用で、その期間マジメに勤務し終わったあと、正式な採用となる。この期間の長さは、一般の地方公務員の場合は6か月だが、公立学校の教諭等の場合は、教育公務員特例法によって1年とされている(その1年の間に初任者研修を行うことになる)。

地方公務員法第22条
職員の採用は、全て条件付のものとし、当該職員がその職において六月の期間を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに、正式のものとなるものとする。(…以下略…)
教育公務員特例法第12条第1項
公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、幼稚園及び幼保連携型認定こども園(以下「小学校等」という。)の教諭、助教諭、保育教諭、助保育教諭及び講師(以下「教諭等」という。)に係る地方公務員法第二十二条に規定する採用については、同条中「六月」とあるのは「一年」として同条の規定を適用する。

続いて臨時的任用についての話。

地方公務員法第22条の3(臨時的任用)

人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、人事委員会規則で定めるところにより、常時勤務を要する職に欠員を生じた場合において、緊急のとき、臨時の職に関するとき、又は採用候補者名簿(第二十一条の四第四項において読み替えて準用する第二十一条第一項に規定する昇任候補者名簿を含む。)がないときは、人事委員会の承認を得て、六月を超えない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合において、任命権者は、人事委員会の承認を得て、当該臨時的任用を六月を超えない期間で更新することができるが、再度更新することはできない。(…以下略…)

「臨時的任用」は、緊急の場合に、6か月を超えない期間で行える(臨時的・緊急といいつつも、実態としては、多くの自治体で常態化している)。更新は1回しか認められていないので、任用が1年を経過する前に一旦退職しなければならない(退職直後にまた採用という形が取られれば、周囲からの見かけ上は、継続で1年以上働いているようにしか見えないが)。

では演習。

演習問題

次の文の正誤判定をせよ。
(1) 教諭の採用については、すべて条件附のものとされており、その教諭が6か月間、良好な成績で勤務した場合に正式採用になる。
(2) 臨時的任用とは、任命権者が、緊急の場合、臨時の職に関する場合又は任用候補者名簿がない場合において、一年をこえない期間で任用することである。
(3) 公務員として採用された当初に小学校の教諭となった場合、この採用は条件付のものであり、1年間その職務を良好な成績で遂行した時に正規採用になる。

解説

今回は以上。お疲れ様でした。

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