[06/50]「特別支援学級」や「通級による指導」はほとんどの学校で設置できる

今回は特別支援教育に関する教育機関・制度として3つの形態があることと、特別支援学校の設置に関係した事項を扱う。

特別支援教育の学びの場として、通常の学級以外に次のようなものがある。

特別支援教育の「学びの場」

・「特別支援学校」…独立した学校
・「特別支援学級」…小学校等の施設内に設置
・「通級による指導(通級指導教室)」…一部の科目等で取り出して特別な指導を行う

今回は特別支援教育そのものには深く立ち入らずに、上の学びの場の設置に関した話のみ扱う。
2018年4月の学校教育法施行規則により、「通級による指導」をおける学校種が、それまでの小・中範囲から、小・中・高校範囲までに拡大した点はよく押さえておこう(学校教育法施行規則第140条)。

では今度は、特別支援学校の小学部・中学部は都道府県に設置義務があるということを扱ったが、ここではその他設置について細かい事項を確認する。

特別支援学校の設置関係(学校教育法)

第76条 特別支援学校には、小学部及び中学部を置かなければならない。ただし、特別の必要のある場合においては、そのいずれかのみを置くことができる。
2 特別支援学校には、小学部及び中学部のほか、幼稚部又は高等部を置くことができ、また、特別の必要のある場合においては、前項の規定にかかわらず、小学部及び中学部を置かないで幼稚部又は高等部のみを置くことができる。
第78条 特別支援学校には、寄宿舎を設けなければならない。ただし、特別の事情のあるときは、これを設けないことができる。

特別支援学校は「幼稚部」「小学部」「中学部」「高等部」を含む、幅広い年齢層に対応した校種である。おける"部"についてあまり厳しい取り決めにしてしまうと、地域のニーズ・実情などに対応しにくくなることもあり、上の条文のように、単独の部だけの特別支援学校も設置できるようになっている。また、自宅から距離が遠く通学が困難等の可能性も考慮して、特別支援学校には寄宿舎の設置が想定されているが、これも、事情があればおかなくていいことになっている。
総じて、特別支援学校の設置に関してはとにかく柔軟!という印象を持っておくと良いだろう。

では3問ほど演習。

演習問題

各種法令に照らして、次の文の正誤判定をせよ。
(1) 小学校及び中学校以外には、知的障害者に該当する児童及び生徒のために、特別支援学級を置くことができない。
(2)特別支援学校には、いかなる場合にもおいても小学部及び中学部を置かなければならず、小学部及び中学部を置かないで幼稚部または高等部のみを置くことはできない。
(3) 特別支援学校には、寄宿舎を設けなければならないが、特別の事情のあるときは、これを設けないことができる。

解説

今回は以上!おつかれさまでした。

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