今回および次回の記事で、性格検査の種類について扱います。
まず性格検査には大きく分けて、
①質問紙法 ②作業検査法 ③投影法
の3つがあることを理解しましょう。
①質問紙法は質問に対してはい・いいえなど少ない選択肢から選ぶ方法。一般的に「アンケート調査」と呼ばれます。
②作業検査法は、数字を合計するなどの単純作業を時間内に繰り返す方法です。
③投影法は、絵を描いたり文章をかいたり、ある程度自由に表現する方法です。
今回は、それらの分類のうち、よく出題される性格検査について、①質問紙法から2つ、②作業検査法から1つ紹介します。
120問のYG性格検査(矢田部ギルフォード性格検査)
YG性格検査は、ギルフォードの理論に矢田部達郎らが日本人用に修正を加えたもの。合計120問の質問に対し、「はい」「いいえ」「どちらでもない」の3択で答える、質問紙法による性格検査です。120問=YGと数値を暗記しておくと役立つでしょう。
550問のミネソタ多面体人格目録(MMPI)
質問紙法による性格検査その2。ミネソタ大学の研究者によって作成されたもので、質問数は550。妥当性尺度という仕組みがあり、いい加減に答えるとわかるように工夫されています。結果は10つの臨床尺度で示されます。YG性格検査と混ざらないように、MMPI=550問としっかり暗記を。
内田クレペリン検査
作業法による性格検査です。ドイツの精神科医クレペリンと日本の心理学者内田勇三郎によって開発されました。検査用紙にはランダムに1桁の数字が印刷されており、隣り合った2つの数字を足した結果の下1桁を記入する「作業」を行います。作業量の変化に基づいて結果が示されます。クリペリン検査と言う代わりに、「クレペリン作業検査」と何回か言えば記憶に残るでしょう。
では演習。
(演習)
2問演習をしましょう。
(演習1)
次の(1)〜(3)の記述は、性格検査について説明したものである。空欄[ ア ]〜[ ウ ]に当てはまるものを選択肢から選べ。(2016年実施40)
(1) [ ア ]とは、一桁の数を2個ずつ連続的に加算していく作業検査法である。
(2) [ イ ]とは、12の性格特性を測る120項目の質問から構成され、結果はプロフィールとして表示刺される質問紙法である。
(3) [ ウ ]とは、白い紙の中央部分にインクを落として二つ折りにし、偶然にできた左右対称のあいまいな図柄を用いる投影法である。
【選択肢】クレペリンテスト、ロールシャッハテスト、Y-Gテスト
(解)[ア]クレペリンテスト [イ]Y-Gテスト [ウ]ロールシャッハテスト
[ウ]のロールシャッハテストは今回は消去法でわかればOKです。次回記事で解説します。
(演習2)
次の心理検査に関する説明文を読み、その内容に該当する語句として最も適当なものを(2007年実施14)
ある性格側面を反映していると考えられる行動をあらわした質問に回答させることによって、その人の性格を明らかにしようとする質問紙法のひとつである。社会的内向、思考的内向、抑うつ性等、12の性格特性を測定するための120項目の質問から成り立っており、これらの質問への回答結果をプロフィールをもとにして、5つの類型に分けることである。
①内田クレペリン検査
②ロールシャッハ・テスト
③バウム・テスト
④ミネソタ多面人格目録(MMPI)
⑤YG性格検査(矢田部・ギルフォード性格検査)
(解)⑤
120項目ということからYG性格検査です。選択肢④のMMPI(ミネソタ多面人格目録)は550問でしたね。
今回はここまで