【解説036】多くの公立小中教員、服務監督は市町村教委だが任命権者は都道府県の教委

多くの小学校中学校は市町村立であり、その教員の服務の監督は市町村の教育委員会が行う。しかし、給与負担者および任命権者は都道府県の教育委員会となっている。監督者と、お金を出す元が違っているのだ。

本来は、学校を設置した市町村(あるいはその教育委員会)がお金を出すべきである。しかし、それを厳密に適用しようとすると財政的に苦しい市町村では対応できかねず、教員の人材確保の点から支障が出る可能性がある。それを防ぐ目的もあって、給与負担は都道府県の教育委員会となっているのである。そしてお金を出すところが任命するのが自然だ、ということで市町村の教員でありながら任命権者は都道府県の教育委員会ということになっているわけなのだ。

このような、市町村立の学校の教職員でありながら都道府県から任命される教員(小学校・中学校のほとんどの先生)のことを県費負担教職員という。詳しくはこちら。

県費負担教職員制度:文部科学省

では演習。

(演習) 次の文の正誤判定をせよ。

(1) すべての区市町村立学校の教諭の任命権は、当該区市町村教育委員会に属し、都道府県立学校の教諭の任命権は、当該都道府県教育委員会に属する。

→(誤)区市町村立学校の任命権は都道府県の教育委員会。

(2) 区市町村立小学校の設置者は、その設置する学校を管理し、教職員の給与や施設、設備の維持など、その学校の経費の全額を負担しなければならない。

→(誤)教職員の給与は都道府県が負担する。

ここで、最新の話題について触れておく。上述したように、一般の市町村では、服務監督権を持っているものの、給与負担者および任命権者は都道府県である。

一般の市町村

服務監督権 任命権 給与負担
あり なし なし

一方、政令指定都市などでは、「任命権はその指定都市にあるものの、給与負担者は都道府県」という状態がこれまで続いていた。要するに一般の市町村よりも自治能力が高いから、任命権まで上げてやろうということである。

指定都市(いままで)

服務監督権 任命権 給与負担
あり あり なし

これが2017年より、指定都市が給与負担者となることが決まり、ねじれが解消され、制度的にすっきりとした形になった。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyuyo/__icsFiles/afieldfile/2017/09/14/1394392_02.pdf

指定都市(2017年以降〜)

服務監督権 任命権 給与負担
あり あり あり

ただこれは政令都市の話であって、一般の市町村では

服務監督権 任命権 給与負担
あり なし なし

という仕組みであることを忘れないように。

今回は以上。お疲れ様でした。