学校の教職組織は長らく"なべのふた"のような構造で、校長・教頭以外はみんなヒラ教員、という構造であったのだが、民間企業と同様に、これをピラミッド的な構造にしようとする動きが続いている。2008年度から校長・教頭・教諭以外の、新たな職種が追加され、以下の6職種で運用がなされている(学校教育法第37条)。自治体によって設置していない職種があったり、名称が異なる場合もある。
学校教育法第37条(抜粋)
④校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。
⑤副校長は、校長を助け、命を受けて校務をつかさどる。
⑦教頭は、校長(副校長を置く小学校にあつては、校長及び副校長)を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる。
⑨主幹教諭は、校長(副校長を置く小学校にあつては、校長及び副校長)及び教頭を助け、命を受けて校務の一部を整理し、並びに児童の教育をつかさどる。
⑩指導教諭は、児童の教育をつかさどり、並びに教諭その他の職員に対して、教育指導の改善及び充実のために必要な指導及び助言を行う。
⑪教諭は、児童の教育をつかさどる。
校長は校務全般の責任者であるが、条文上は教育をつかさどるという表現はない。また、所属職員の監督者でもある。教頭は校務の整理や教育も担当するということで、何でも屋という感じ。教諭は教育をつかさどるだけ。
「校長・教頭・教諭」から派生して、「副校長・主幹教諭・指導教諭」ができたと整理するとよい。
・校長→副校長 (校長のようなことをする)
・教頭→主幹教諭(教頭のようなことをする)
・教諭→指導教諭(実践力抜群で教諭にいろいろ教えるレベルの先生)
この記事の最初の表をみると、校長と副校長、教頭と主幹教諭、教諭と指導教諭はそれぞれ役割が似ていることがわかるだろう。
また、この派生系3職種は、学校教育法上は、学校に必ず置くのではなく、置いても良い、という位置付けである。
では演習。
演習問題
学校教育法に照らして、次の文の正誤判定をせよ。
(1) 教頭は、児童・生徒の教育をつかさどり、並びに教諭その他の職員に対して、教育指導の改善及び充実のために必要な指導及び助言を行う職として置くことができると規定されている。
(2)主幹教諭は、校長、副校長を補佐することを主な職務としており、命を受けて校務全般を整理するとともに、児童・生徒の教育をつかさどる。
(3)校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督することを職務としており、当該学校の設置者の定めるところの職員会議は、校長が主宰する。
解説
今日はここまで。
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