【易しめ解説20】記憶プロセスは記銘-保持-想起。記憶の種類は感覚記憶-短期記憶-長期記憶。長期記憶はエピソード記憶・意味記憶・手続き的3種類ある。

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ここでは記憶に関する用語をまとめていきます。難しい話ではありませんので是非おさえておきましょう。

記憶のプロセスは記銘-保持-想起

それぞれ次のような意味です。

記銘…見たり聞いたりした情報を脳内に残る形に変換すること。

保持…上の情報を脳内に蓄えること。

想起…蓄えた情報から取り出す(思い出す)こと。

なお、想起については

・再生(経験したことを自ら思い出す)

・再認(経験してないこと・経験したことが混ざったリストから経験したことを区別して判断する)

の2通りがあります。

なお、記銘、保持、想起はそれぞれ符号化、貯蔵、検索ともいいます。



感覚記憶、短期記憶、長期記憶

それぞれ次のような意味です。

感覚記憶…目や耳などの感覚器官を通して入力された刺激が一時的に保存されたもので、数秒程度で消滅する。

短期記憶…感覚記憶からの注意によって一時的に蓄えられる記憶。時間は十数秒ほどで、覚えられる量は7チャンク程度(チャンクとは情報の心的なまとまりのこと)。短期記憶には「長期記憶に送るかどうか?」など記憶の処理を制御する役割もあり、その役割を強調する場合はワーキングメモリーとも呼ばれます。ラフに、短期記憶=ワーキングメモリーと覚えておいても大丈夫でしょう。

長期記憶…いわゆる知識のこと。

なお、長期記憶については、さらに次の3つに分かれます。

・エピソード記憶…個人的な経験に基づく出来事の記憶

・意味記憶…………概念や言葉などの一般的な知識の記憶

・手続き記憶………自転車の乗り方など手順や技能に関する記憶

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスは、無意味なアルファベットの文字列を覚えて時間が経過した後、再びそれを覚え直すのに必要な時間を測定する実験を行い、その結果を「忘却曲線」として示しました。その曲線によれば、例えば記憶して20分が経過したときに復習をするのと、記憶して48時間が経過してから復習するのでは復習に必要な労力が2倍ほど違うことがわかります。忘却曲線は、時間の経過とともに記憶の保持ができなくなっていくこと(思い出すのに労力が必要になっていくこと)を示しているのです。



(演習)

2題扱います。

(演習1)

次の文は、記憶について述べたものである。誤っているものを、次の①〜⑤の中から一つ選びなさい。(2007年実施40)
①経験したことが記憶として取り込まれることを記銘という。
②保持されていた記憶が、ある期間の後に、外に現れることを想起という。
③以前の経験を言葉や絵、動作で再現することを再生という。
④事物・事象についての一般的な知識や言葉の意味等は、いつどこであったか分からないが、いろいろな経験を積み重ねることによってできた記憶であり、エピソード記憶といわれる。
⑤作業記憶(ワーキングメモリー)は、会話、計算、問題解決等の認知作業の遂行中に働く記憶である。

(解)④

④はエピソード記憶(個人の経験についての記憶)ではなく、意味記憶(言葉の意味などの記憶)の説明です。

(演習2)

次の各語句と関係の深い人物を選択肢から選べ。(2004年実施42)
(ア)忘却曲線・保持曲線
(イ)効果の法則

(ウ)再生的思考・生産的思考

【選択肢】ウェルトハイマー、ソーンダイク 、エビングハウス

(解)(ア)エビングハウス、(イ)ソーンダイク 、(ウ)ウェルトハイマー

前の記事で扱いましたが、ソーンダイク→試行錯誤説、効果の法則は思い出せるようにしておきましょう。ウェルトハイマーは消去法でできればOKです。

今回はここまでです。

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