【解説068】短期記憶(30秒まで)からリハーサルによって長期記憶へ。タルヴィングは長期記憶を意味記憶とエピソード記憶に分類した。

今回は記憶に関すること。

短期記憶からリハーサルによって長期記憶へ

その場で初めて聞いた番号を覚えるときなど、一時的な記憶が短期記憶である。保持される時間は30秒ほど。

短期記憶にある情報を何度も反復して思い出すことをリハーサルと言う。英単語帳を何度も見て記憶に残そうとする行為もリハーサルの一種と言えよう。

リハーサルなどによって長期記憶になった記憶は、文字通り長期間にわたって記憶されることになる。

タルヴィングという人物によって、長期記憶は次のように分類されている。

タルヴィングによる長期記憶の分類

・意味記憶…言葉の意味や事実といった普遍的な記憶

・エピソード記憶…個人的な体験に基づく記憶

・手続き的記憶…自転車の乗り方、泳ぎ方など動きの手順に関する記憶

記憶関係の残り方に関するワードを2つほど紹介する。

孤立効果

孤立効果とは、少数な異質の項目の方が多数の同質な項目より記憶に残りやすいということ。

例えば、次のリストを見て欲しい

りんご、バナナ、みかん、福沢諭吉、メロン

他と異質なカテゴリーの福沢諭吉が記憶に残りやすいはずだ。このような多数の同質な項目の中に少数の種類の異なるものが頭に残りやすいという現象を孤立効果という。

初頭効果と新近性効果

中国の歴代王朝の名前を順序通り暗記するような場合、その順序の最初と終わり部分は記憶されやすい傾向にあり、それぞれ初頭効果と親近性効果という。

初頭効果は文字を見て意味が思い出せるだろうが、親近性効果は知っていないと意味が分かりにくいので特に気をつけて覚えて起きたい。

最後に、有名な忘却曲線の話。

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスは、記憶した時点から短時間のうちに忘却が進み、以後は緩やかな経過をたどる、という忘却曲線の理論を示した(正確には節約率という言葉で説明される)。

では演習。

(演習)

次の(    )に入る語句を次から選べ。

【語句】タルヴィング、エビングハウス、エピソード記憶、意味記憶

(1) (  ①  )は、長期記憶を、個人的な出来事や思い出に関する記憶である「(   ②   )」と、一般的知識や事実に関する記憶である「(   ③   )」に分けた。

(2) (   ④  )は、無意味綴りを学習材料にして時間経過に伴う忘却過程を調べ、その結果を(  ⑤   )に表した。

(3) (  ⑥  )とは、記憶する内容に、少数の異質な項目と多数の違いに類似した項目とを含んでいる場合、少数の異質な項目の方が、多数の違いに類似した項目よりもよく記憶されることである。

(解)

(1) ①タルヴィング ②エピソード記憶 ③意味記憶

(2) ④エビングハウス ⑤忘却曲線

(3) 孤立効果

今回はここまで!お疲れ様でした。