【解説056】日本教育史(古代〜中世)。綜芸種智院は空海、金沢文庫は北条実時、足利学校は上杉憲実。

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日本教育史は時代を江戸時代より前で1記事、江戸時代で2記事、近代で1記事の合計4記事分で解説する。今回は江戸時代より前、古代〜中世の話。

この分野は「誰がなんという学校をつくったか」という知識を整理していけば対応できることが多い。時代が古く史実がはっきりしていないことも多いので、あまり突っ込んだ出題はできないからである。

江戸時代よりも前の”学校”として、次の4つに絞って紹介する。

芸亭(うんてい) -石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)

奈良時代末期。民衆にも公開された我が国初の公開図書館。図書館ではあるが平安時代になると人材を輩出していて教育施設とする説もあるそうである。

綜芸種智院(しゅげいしゅちいん)-空海

真言宗を開いた空海によって庶民向けの教育機関。空海は僧侶ではあったものの、仏教に固執せず、儒教、道教、仏教の三教一致を説き、すべての学問の長所を取り入れた教育を目指した。いいところをどんどん取り入れようとするところが現代の感覚からみても魅力的に感じますね。

金沢文庫-北条実時(ほうじょうさねとき)

鎌倉時代の教育施設。書籍を多く所蔵し、公開して学問教育を広める役割を担った。



足利学校-上杉憲実(うえすぎのりざね)

創設は鎌倉時代ごろ(諸説あり)で室町時代に上杉憲実によって再興された。キリシタン宣教師によって「坂東の大学」として紹介されたことでも有名。

では演習。

(演習)

次の文の( )に適する人物名を、次の選択肢の中からそれぞれ選べ。

【選択肢】石上宅嗣、空海、北条実時、上杉憲実

(1) 足利学校は、室町時代、(      )によって再興され、フランシスコ・ザビエルによって「坂東の大学」と称された。

(2) 金沢文庫は、鎌倉時代、(      )が創始したとされ、膨大な蔵書を保有していた。

(3) (     )は、藤原三守の援助によって左京九条に唐の民衆教育機関にならった「綜芸種智院」を設立し、儒教、道教、仏教をはじめ、あらゆる学芸・思想をあわせて学ばせる総合的な全人教育を目指し、庶民に修学させた。

(4) 芸亭は、奈良時代、(     )が開設した我が国最初の公開図書館である。

(解)

(1)→上杉憲実 (2) →北条実時 (3) →空海 (4) →石上宅嗣

 
今回はここまでです!
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