【解説038】校長と副校長、教頭と主幹教諭、教諭と指導教諭はそれぞれ仕事が似ている

学校は長らく”なべのふた”のような構造で校長・教頭以外はみんないろいろとヒラ教員、という構造であったのだが、組織の管理面から、民間と同様にこれをピラミッド的な構造にしようとする動きが続いている。その流れの中で2008年から校長・教頭以外にも新たな職種が追加され、以下の6職種の職種で運用がなされている(学校教育法第37条)。自治体によって設置していない職種があったり、名称が異なる場合もある。

 :20180118025135p:plain

(色付きは2008年の学校教育法改正時に追加された職)

職種が6つもあって大変だな〜と思われるかもしれない。これはバラバラに6つを覚えるのではなく、まず、校長、教頭、教諭の3職種の職務を先にはっきり覚えるとよい。

校長、教頭、教諭の職務

校長…校務をつかさどり、所属職員の監督をする。

教頭…校務を整理し、教育を必要に応じてつかさどり、校長を助ける。

教諭…ヒラ教員です。教育をつかさどる。

校長は教育をつかさどることはせず、校務(教務、生徒指導など…)のトップであり、職員の監督をすることになっている。教頭は校務の整理や教育も担当するということで、何でも屋という感じ。教諭は教育をつかさどるだけ。また、上3つはどの学校にも置かなければならないもの、とされている。

上の3つから派生して、次の3職種ができた、と整理するとよい。

派生型3職種

校長→副校長 (校長のようなことをする)

教頭→主幹教諭(教頭のようなことをする)

教諭→指導教諭(実践力抜群で教諭にいろいろ教えるレベルの先生)

この記事の最初の表をみると、校長と副校長、教頭と主幹教諭、教諭と指導教諭はそれぞれ役割が似ていることがわかるだろう。

また、この派生系3職種は教育基本法では、学校に必ず置くのではなく、置いても良い、という位置付けである。

では演習。6問。

(演習) 次の文の正誤判定をせよ。

(1) (学校教育法に照らして)教頭は、児童・生徒の教育をつかさどり、並びに教諭その他の職員に対して、教育指導の改善及び充実 のために必要な指導及び助言を行う職として置くことができると規定されている。

→(誤)「教育指導の改善及び充実」とあるので、これは職場の先生に指導法等を教える立場である「指導教諭」の説明である。教頭は「校務を整理する」のも仕事であったことを思い出しておこう。

(2) (学校教育法に照らして) 指導教諭は、副校⻑及び教頭に事故があるときは副校⻑及び教頭の職務を代理し、副校⻑及び教頭が欠けたときは副校⻑及び教頭の職務を行う職としてすべての学校に1 名以上置かなければならないと規定されている。

→(誤)置かなければならないというのが間違い。派生系の「副校長・主幹教諭・指導教諭」は「置くことができる」職である。

(3) 主幹教諭は、教諭その他の職員に対して教育指導の改善及び充実のために必要な指導及び助言を行う とされており、児童・生徒の教育をつかさどることはできない。

→(誤)前半の「教育指導の改善及び充実のために必要な指導〜」は指導教諭の説明である。また、後半の「教育をつかさどることはできない」も誤り。教頭あるいはその派生系である主幹教諭は何でも屋なので教育も行う。

(4) 主幹教諭は、校長、副校長を補佐することを主な職務としており、命を受けて校務全般を整理するとともに、児童・生徒の教育をつかさどる。

→(誤)注意していないと正としてしまいそうであるが、「校務全般」の整理ではなく「校務の一部」の整理ができる。なお法律上は校長・副校長を「助ける」という言い方であるが、「補佐する」と言い換えてもよいようである。

(5)校⻑は、所属職員を監督することとされているが、学校に勤務する指導教諭は、所属職員に含まれな いため、これを監督する権限はない。

→(誤)指導教諭がなぜか特別扱いされた文ですが、もちろんそんなことはない。校長は所属職員を監督するのも役割である。

最後に、職員会議の知識について触れておく。

(6) 校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督することを職務としており、当該学校の設置者の定めるところの職員会議は、校長が主宰する。

→(正)校長は校務をつかさどり(仕切り)、所属職員の監督をするのが職務。なお、記事内で取り上げなかったが、職員会議は次のように校長が主宰することになっている。校長がいない職員会議はあり得ないのである。

学校教育法施行規則第48条

小学校には、設置者の定めるところにより、校長の職務の円滑な執行に資するため、職員会議を置くことができる。
2 職員会議は、校長が主宰する。

今日はここまで。