今回は初任者研修の指導教員について。まずは該当条文から。
初任者研修(教育公務員特例法第23条)
- 公立の小学校等の教諭等の研修実施者は、当該教諭等((…中略…))に対して、その採用((…中略…))の日から一年間の教諭又は保育教諭の職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修(次項において「初任者研修」という。)を実施しなければならない。
- 2指導助言者は、初任者研修を受ける者(次項において「初任者」という。)の所属する学校の副校長、教頭、主幹教諭(養護又は栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭を除く。)、指導教諭、教諭、(…中略…)又は講師のうちから、指導教員を命じるものとする。
- 3指導教員は、初任者に対して教諭又は保育教諭の職務の遂行に必要な事項について指導及び助言を行うものとする。
初任者研修は1年間で、条件付採用期間(=1年間)の間に受ける。また、注意すべきことは指導教員を誰が行うのかである。上条文第2項からもわかるように、「副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、教諭又は講師」ということで、「校長」や「養護&栄養の指導および管理をつかさどる主幹教諭」をのぞいたほぼすべての職種で担当できる(副校長・教頭、講師でもOKというのは意外!)
続いて、経験10年程度の方向けの「中堅教諭等資質向上研修」についても条文だけ載せておく。これはかつて「10年研」と呼ばれていたものである。
中堅教諭等資質向上研修(教育公務員特例法第24条)
- 公立の小学校等の教諭等(臨時的に任用された者その他の政令で定める者を除く。以下この項において同じ。)の研修実施者は、当該教諭等に対して、個々の能力、適性等に応じて、公立の小学校等における教育に関し相当の経験を有し、その教育活動その他の学校運営の円滑かつ効果的な実施において中核的な役割を果たすことが期待される中堅教諭等としての職務を遂行する上で必要とされる資質の向上を図るために必要な事項に関する研修(次項において「中堅教諭等資質向上研修」という。)を実施しなければならない。
- 2 指導助言者は、中堅教諭等資質向上研修を実施するに当たり、中堅教諭等資質向上研修を受ける者の能力、適性等について評価を行い、その結果に基づき、当該者ごとに中堅教諭等資質向上研修に関する計画書を作成しなければならない。
教育公務員特例法で定められた、経験年数による研修は「初任者研修」(1年目に実施)と、「中堅教員資質向上研修」(おおむね10年目で実施)のみ。その他の研修は自治体が独自に取り組んでいるもの、ということになる。
では演習。
演習問題
各種法令に照らして、次の文の正誤判定をせよ。
(1) 任命権者は、初任者に対して教諭の職務の遂行に必要な事項について指導及び助言を行うために、初任者の所属する学校の校長を指導教員として命じなければならない。
(2) 研修実施者は、教諭に対してその採用の日から6か月間、その職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修を実施しなければならない。
(3) 研修実施者は、臨時的に任用された教員を含めて、教員に対して、その採用の日から一年間の教員の職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修を実施しなければならない。
解説
今回は以上。お疲れ様でした。
前の記事へ [22/50]教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる | 次の記事へ [24/50]指導改善研修は原則1年以内、改善不十分の場合は転任や免職も |
本シリーズの記事一覧へ [教職教養]基礎50 | |
トップページへ きょうさい対策ブログ |