[06/11]5.「令和の日本型学校教育」の構築に向けた ICT の活用に関する基本的な考え方

5.「令和の日本型学校教育」の構築に向けた ICT の活用に関する基本的な考え方

○ これまで繰り返し述べてきたように,「令和の日本型学校教育」を構築し,全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びを実現するためには,学校教育の基盤的なツールとして,ICT は必要不可欠なものである。我が国の学校教育における ICT の活用が国際的に大きく後れをとってきた中で,GIGA スクール構想を実現し,4.(3)で述べたようにこれまでの実践と ICT とを最適に組み合わせることで,これからの学校教育を大きく変化させ,様々な課題を解決し,教育の質の向上につなげていくことが必要である。その際,PDCA サイクルを意識し,効果検証・分析を適切に行うことが重要である。

○ ICT が必要不可欠なツールであるということは,社会構造の変化に対応した教育の質の向上という文脈に位置付けられる。すなわち,子供たちの多様化が進む中で,個別最適な学びを実現する必要があること,情報化が加度的に進む Society5.0 時代に向けて, 情報活用能力など学習の基盤となる資質・能力を育む必要があること,少子高齢化,人口減少という我が国の人口構造の変化の中で,地理的要因や地域事情にかかわらず学校教育の質を保障すること,災害や感染症等の発生などの緊急時にも教育活動の継続を可能とすること,教師の長時間勤務を解消し学校の働き方改革を実現することなど,これら全ての課題に対し,ICT の活用は極めて大きな役割を果たし得るものである。

○ その一方で,ICT を活用すること自体が目的化してしまわないよう,十分に留意することが必要である。直面する課題を解決し,あるべき学校教育を実現するためのツールとして,いわゆる「二項対立」の陥穽に陥ることのないよう,ICT をこれまでの実践と最適に組み合わせて有効に活用する,という姿勢で臨むべきである。

(1)学校教育の質の向上に向けた ICT の活用

○ ICT の活用により新学習指導要領を着実に実施し,学校教育の質の向上につなげるためには,カリキュラム・マネジメントを充実させつつ,各教科等において育成を目指す資質・能力等を把握した上で,特に「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善に生かしていくことが重要である。また,従来はなかなか伸ばせなかった資質・能力の育成や,他の学校・地域や海外との交流など今までできなかった学習活動の実施,家庭など学校外での学びの充実などにもICT の活用は有効である。

○ その際,1人1台の端末環境を生かし,端末を日常的に活用することで,ICT の活用が特別なことではなく「当たり前」のこととなるようにするとともに,ICT により現実の社会で行われているような方法で児童生徒も学ぶなど,学校教育を現代化することが必要である。児童生徒自身がICT を「文房具」として自由な発想で活用できるよう環境を整え,授業をデザインすることが重要である。

○ また,不登校,病気療養,障害,あるいは日本語指導を要するなどにより特別な支援が必要な児童生徒に対するきめ細かな支援,さらには個々の才能を伸ばすための高度な学びの機会の提供等に,ICT の持つ特性を最大限活用していくことが重要である。

(2)ICT の活用に向けた教師の資質・能力の向上 略

(3)ICT 環境整備の在り方 略

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