[46/50]短期記憶(数十秒まで)からリハーサルによって長期記憶へ。タルヴィングは長期記憶を意味記憶とエピソード記憶に分類

今回は記憶に関すること。

短期記憶からリハーサルによって長期記憶へ

その場で初めて聞いた番号を覚えるときなど、一時的な記憶が短期記憶である。保持される時間は最大数十秒ほど。また、短期記憶にある情報を何度も反復して思い出すことをリハーサルと言う。英単語帳を何度も見て記憶に残そうとする行為もリハーサルの一種と言えるだろう。リハーサルなどによって長期記憶になった記憶は、文字通り長期間にわたって記憶されることになる。
長期記憶は次のように分類される。

長期記憶の分類

  1. 意味記憶…言葉の意味や事実といった普遍的な記憶
  2. エピソード記憶…個人的な体験に基づく記憶
  3. 手続き的記憶…自転車の乗り方、泳ぎ方など動きの手順に関する記憶

記憶関係の残り方に関するワードを2つほど紹介する。

孤立効果

孤立効果とは、少数の異質な項目の方が、多数の同質な項目より記憶に残りやすいということ。 例えば、次のリストについて。

【犬、猫、ウサギ、スマートフォン、ハムスター】

他と異質なカテゴリーである「スマートフォン」が記憶に残りやすいはず。このように、多数の同質な項目の中に少数の異質なものがあると、その異質なものが頭に残りやすいという現象を孤立効果という。

初頭効果と新近性効果

中国の歴代王朝の名前を順序通り暗記するような場合、その順序の最初と終わり部分は記憶されやすい傾向にあり、それぞれ初頭効果と親近性効果という。
初頭効果は文字を見て意味が思い出せるだろうが、親近性効果は知っていないと意味が分かりにくいので特に気をつけて覚えて起きたい。

最後に、有名な忘却曲線の話。

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスは、記憶した時点から短時間のうちに忘却が進み、以後は緩やかな経過をたどる、という忘却曲線の理論を示した(正確には節約率という言葉で説明される)。

では演習。

演習問題

次の(    )に入る語句を次から選べ。
(1) (  ①  )は、長期記憶を、個人的な出来事や思い出に関する記憶である「(   ②   )」と、一般的知識や事実に関する記憶である「(   ③   )」に分けた。
(2) (   ④  )は、無意味綴りを学習材料にして時間経過に伴う忘却過程を調べ、その結果を(  ⑤   )に表した。
【語句】タルヴィング、エビングハウス、エピソード記憶、意味記憶、忘却曲線

解説

今回はここまで!お疲れ様でした。

前の記事へ
[45/50]学習そのものが目的…内発的動機づけ、学習と関係ないことが目的…外発的動機づけ。報酬等によって内→外の変化はアンダーマイニング効果、褒めるなどで内発的動機づけを強めるのはエンハンシング効果
次の記事へ
[47/50]性格の類型論。体型で分けたのがクレッチマー、リビドーの作用で分けたのがユング、個人の志向で分けたのがシュプランガー
本シリーズの記事一覧へ
[教職教養]基礎50
トップページへ
きょうさい対策ブログ
(お知らせ)2025年実施教採向け 動画講座は12月初旬にリリース予定です。