社会人経験を経て教採に合格された3名の方々からの報告です。勉強の仕方など参考になさってください。
Aさん
民間企業(広告代理店)で15年ほど勤務。教員免許取得のため、通信制大学に通いながら教採に臨んだ。中国地方の自治体の小学校区分で合格.
1. 個人面接対策について
正直、これといった対策(友人と面接の練習をしたり、過去問を一問一答形式で解いたり)はしていませんでした。やる時間はあったのですが、学生と同じ内容の対策をすることに「そこまでやる必要あるのだろうか・・・」と違和感がありました。きょうさい対策ブログの銀行員から転職された方の動画でも、特に対策はしていないと言っていたのを聞いて、そうだよねと思ったのをよく覚えています。実際受けてみて、質問内容も学生が受けたものとは大幅に違うものでしたので、学生と同じ対策で満足していたら敵わなかったと思います。
私は年齢や社会人経験的にもきっと「即戦力」「対応力」「柔軟さ」を求められると思っていますので、そちらに目を向けて、まずは知識を得ることを中心に用意していました。具体的には次のとおりです。
2. 合格につながった対策(役に立ったこと)
・きょうさい対策ブログ主催のミーティングに参加して他の受験者や宮澤先生と話ができたことです。モチベアップはもとより、授業中に立ち歩く子に対しての話題もあったように記憶しますが、その内容がまるっと面接で出ました。また、受験生の模擬面接シリーズを見たことも、何年ぶりに受ける面接の場の具体的なイメージが湧きました。
・「教員養成セミナー」と「教育新聞」を定期購読していたこと。時事的な話題に多く触れられたのがよかったです。
・都道府県別の過去問(協同出版)を買って傾向は調べました。
・宮澤悠維教育研究所の動画を見ていたこと。
受験自治体の面接はコロナの影響で「場面指導が無くなった」はずだったのですが、実際蓋を開けてみたら場面指導に関する質問を本当にたくさん受けました。油断して全く対策していませんでしたが、動画をみながら「こういう場合はどうする」の思考をまとめることができていたようで、冷や汗かきながらもかなり答えることができました。これは本当に心から助かったと思いました。感謝しています。
3. 役立たなかったこと
・いわゆる面接対策本を買いましたが、これはいらなかったです。社会人やっていれば知っているような内容が多く、また質問例も学生向けばかりでした。大学時代のことは全く聞かれず、会社員時代のことをたくさん聞かれました。
4. 集団面接対策について
これも個人面接と同様で対策はしていませんでしたので、当日気を付けていたことについて述べます。
・グループワークもありましたので、入室前の数分でメンバーに話しかけ、雰囲気をよくして仲間意識をもてるようにしました。
・グループワーク中はどう見ても最年長ということで、発言と態度には気をつけるようにしました。笑顔を絶やさず、年齢を感じさせない雰囲気でメンバーと話すよう心がけました。提案を聞いて受け止め、自分の意見もいい、軌道修正をかけるなどしました。
・集団面接は1人の面接官が圧迫的な役割をされていましたが、怯まず笑顔で丁寧に回答するように心がけました。
5. まとめ
大切なのは笑顔、はっきりした言葉、素直さ(否を認め言い直す、知ったかぶりはしないなど)だと感じました。面接官とは「会話をする」ように答えようと心がけていました。
Bさん
民間企業(アパレル)で十数年勤務。通信制大学で教員免許取得をしながら教採に臨んだ。関東地方の自治体に小学校区分で合格。
1.全体
私の場合、合計点も低く、ギリギリで合格したと思います。
個人面接では社会人経験を有していることもあってか、民間と教職の違いや、教職の改善点なども聞かれました。面接中は、何を話しているのかわからなくなり、何度も詰まってしまい、アピールしたかった特別支援への思いは一言も話せず、途中でもうダメだと思いました。しかし、2人目の面接官への質問へは答えやすく、開き直って答えることができました。個人面接の終盤、不祥事の質問で「私は全力で止めます!」で終了。内容より熱意で勝負した感じでした。また、教育実習未経験で回答が浅く、教育実習を終えた今ならより具体的な回答ができたと思います。これから受験される方にはぜひ教育実習での学びを生かして欲しいと思います。
2. 勉強方法
民間企業と現職の間に3ヶ月在家庭期間があったので、通信大学の単位取得に集中し、去年度フル単位取得。働きながら免許を取り、教採を受ける方は勤務先の夏期休暇を利用し、夏期スクーリングを集中してうけることをオススメします。また、在家庭中、休日は近くの公共施設で10時~22時まで勉強しました。コロナ禍で使用禁止になってからは、平日は3時起床、21時~22時就寝し、朝集中して勉強することで効率よく勉強できました。反省点は一般教養、全科のスタートダッシュです。苦手分野を12月までには把握し、重点的に集中して行うべきでした。私は理数で苦戦してしまい、想像以上に範囲が広かったと痛感しています。学習指導要領は日頃から読み込み、どの学年で何を学ぶか入れておくと覚えやすいです。また、隙間時間の活用もオススメです。通勤は20分弱と短いですが、きょうさい対策ブログYouTubeを繰り返し聞き、ランダム演習は完璧に答えられるようにしました。
あとは、過去問を何度も解くことです。私は一番始めに教職教養の過去問を一から解いて、出題された条文を法律ごとにわけておおまかな流れをつかみました。法規から始めることで自信もついたと思います。
勉強ノートの様子(以下をクリック↓)
Cさん
民間企業(旅行会社)で5年ほど勤務しながら、教員免許取得のために通信制大学に通う。3月に退職後、集中的に教採の学習を行い、関西地方の自治体に高校・国語の区分で合格。
1.面接などについて
やはり、なぜ会社をやめて教員を目指すのかとか、前の仕事での経験を教職にどう活かすかなどは聞かれました。
・私の前職は色んなハプニングがある中で、優先順位を立てて仕事を進める必要があったのですが、それはマルチタスクで仕事を進めていく必要のある教職にも活きると思う
・ツアーには様々なお客様が参加されていたが、一人一人の気持ちを汲み、絶対に満足していただくという気持ちで仕事をしていました。教育とサービス業は違うものだと思いますが、人を大事にするというところは共通していると思う
というような形で教育現場と結びつけるような形で回答できたのはよかったのかなと思っています。
2. これから受験される方へ
まずは自分の現在位置をしっかりと知ることが大事だと思います。
合格に向けて何が必要で、勉強できる時間がどれくらいあるか、残りの日がどれくらいあるかなどを把握することが大事で、その上で一日一日の計画を立てていければいいのではと思います。私は3月末日で旅行会社を退職し4月1日からは時間があったので、一日5時間くらい教採の勉強をしていました。教職教養とか、専門教養(国語の古典文法とか完全に忘れていました)は0からのスタートでした。
教職教養に関しては、教員養成セミナーのバックナンバーから全て購入して、受験自治体の過去問をやっていました。
専門教養に関しては、マドンナ古文とかスタディサプリの高校生向けの参考書から始めて力がついてくるにつれ難しい問題集に移行したり、過去問をしたりという感じです。楽しみながら勉強することを大事にしていました。
また、時間が結構できたので、カラマーゾフの兄弟とかの長編小説を読んだりしてリフレッシュしてました。
面接、模擬授業に関しては通信制大学の先生方がかなり熱心にみてくれて多い時では週に3回くらい京都の大学に通ったり、ズームで面接練習をしたりしてくれていました。
今思い返すと、周りの方々のサポートがなければ合格できていなかったと思います。
それほど気をつめず楽しく勉強できたのも周りのおかげだと思っています。
自治体別面接情報、一覧ページはこちら