教採問題の共通化が進むといいと思います

こんな記事を見つけました。

www.kyobun.co.jp

 

少し引用させていただきます。

教職員支援機構は12月20日までに、教員採用試験における共通問題へのニーズを都道府県・指定都市教育委員会に尋ねた調査結果を公表した。教委が個別に問題を作成するための費用・人的負担が大きく、7割以上の教委が「教員採用統一試験」や「共通試験問題の配布」を利用したいと考えていた。

 

記事によると、自治体ごとに平均で564万円の費用がかかり、また問題作成に平均108人が関わっているとのこと。作成側にも結構な負担がかかっているのです。おそらく時間的な余裕もそれほどないでしょう。

 

教採の問題で問題作成者が一番気にすることは、出題ミスをしないことです。これをやってしまうと報道もされ、かなりダメージが大きい。問題作成者は出題ミスをしないことを第一に考えて作成しています。

 

…では、出題の質はどうでしょうか?

 

例えば次の問題をご覧ください。とある自治体で出題された問題の一部です。

(教育職員免許法についての問題)

第9条の3 2前項に規定する免許状更新講習(以下単に「免許状更新講習」という。)の時間は[     ]とする。
【選択肢】三十時間以上、十五時間以内

 

実際に出題された教職教養の問題なのですが、これは一切勉強したことがない人や初めて条文を読んだ人であっても「三十時間以上」が当てはまることがわかります。教員の質を保とうとする講習で十五時間以下とわざわざ上限を決めるわけがありまません。こういうものが「勉強しなくても分かる」類の問題です。こうした問題は、教採でこの話題も扱ったよ、という実績づくりにはなるものの、「勉強した受験生とそうでない受験生を振り分ける」機能を果たすのには十分とは言えません。



上の問題だけ持ってきて揚げ足取りをしているのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、教採は多くの自治体で「読めば勉強していなくても分かる」ような出題が行われています。もちろん、読解力を試すのが趣旨の問題であればよいのですが、勉強をしたかどうか?の目的で出しているのであれば、改善が必要です。私の主観ではありますが、全国的にいって、出題される問題の3割ほどはそうした問題に分類されると思います。この辺の話は以前にも書きましたので興味のある方はご覧ください。

教職教養の3割は予備知識ナシでも解ける – きょうさい対策ブログ

 

問題の質は、もちろん高めた方がよいに決まっています。上で述べたような種類の問題を出さない工夫が必要です。そのためには、問題作成の負担を減らし、質のチェックをすることにも労力を使うべきです。

 

ただ、現状の各自治体ごとに問題を作成する仕組みだと限界もあるでしょう。そこで冒頭に述べた共通化の話になるわけです。共通化することによって、問題作成者の負担を減らし、質のよい問題作成に力を使うべきです。マーク試験であったとしても、十分な労力がかけられるのであれば、ある程度の質のものが作成できると思います。センター試験がそうじゃないですか。(センター試験の質については賛否両論あるかな?)



今の感じだと、自治体ごとに出題形式や難易度の違いがありますから、すぐに統一テストに突入というのは難しいでしょう。そこで、まずは試験日程が同じブロックごとに、〇〇年からこんな感じで共通問題出しますっていう予告をし、少しずつシフトしていくのが現実的だと思います。例えば現在も行われている、文部科学省の「教員資格認定試験」は一つのモデルになるでしょう。

教員資格認定試験:文部科学省

 

はい、ということで…いろいろと書きましたが、私としては、教採の問題の質が上がる方向に進むことを期待しています。問題の質を向上させ、「勉強しなくても正答を導ける」あるいは「過度に難しすぎる」ような類の問題が減ることを祈っています。

 

では。

スポンサーリンク