「職業としての教師」という面白い本を見つけました。
教師という職業の給与、残業、結婚のことなど、多くの人が関心を持ちそうなテーマについて、各種データを用いて紹介。
全体的に、教職のやりがい・よさを知ることのできる前向きな内容で、これから教職を目指す方は読んでおくといいかも。
で、本題ですが、この本で衝撃的な教採テクが書いてありました。
なんと教員採用試験で、
6つの自治体に併願して、全部受かった方がいる
とのこと。全部受かったのもめちゃめちゃすごいんだけど、6つも日程が被らずによく組めたなあ、という点にも感心。
といことで今回は併願のことについてかきます。
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今回は中学高校の教員を想定していますが、小学校も準ずるものと考え読んでいただきたいと思います。
教員採用試験(以下、教採)は全国65の自治体で実施されるのですが、関東は7月の第2日曜日、関西は第3日曜日〜(これは例示です)というように、近い地域は日程を揃えて行われています。
そのため、併願をする場合は飛行機や新幹線などで移動することになり、まあまあお金がかかることになる。上述の6自治体受験した方は合計いくらかかったのだろうか…
そうした費用面に加え、地元志向の強い方が多いこともあり、教採の複数受験はあまり一般的ではありません。多くの教採受験生は単願で受験する傾向があるのです。
しかーし、この記事を読んでいる教採受験者の方にはぜひ、
併願をしよう!
と強くお伝えしたい。
理由は、担任を早めに経験するためです。
倍率の高い自治体1本で受験し不合格となった場合、臨時的任用等として働きながら来年度の合格を目指すのが一般的です。
臨時的任用は給与面は正規採用とさほど変わりませんが、多くの場合1年契約で 、次年度の契約があるかどうかは保証がありません。年度をまたぐ時期に突然無職になる可能性もあるのです。
また、任用期限の制約によって、多くの場合担任を持つことができません。担任の経験は教員人生で得るものが大きいもの。臨時的任用はその機会から遠のいてしまうことになるのです。
ここでもし、併願をして倍率が比較的低めの自治体に受かっていたとしたらどうでしょう。正規採用の場合は1年目ないし2年目からすぐ担任を持つことが一般的です。
公立学校の教員は、どの自治体であっても、仕事内容はだいたい同じ。教員としての経験を積む上で、どこの自治体で働くかはあまり問題になりません。
担任ひとまわりを完了する頃には(ちゃんとマジメにやっていれば)あなたは授業の技術に加えて、生徒との関わり方、生徒指導、進路指導、学校の運営、保護者対応などについてある程度知識や実践力を持つことになります。
要するに教員としてどの学校でもある程度やっていける状態になり、教員の仕事をより楽しめるようになってくる。というわけで、担任は早めに経験した方がよいのです。
そしてそのために、どこの自治体でもよいからできるだけ正規採用を目指すべきなのです。
以上が併願をすすめる理由です。あなたの教員人生を豊かなものにするためにも、併願をぜひ検討してみましょう。
なお、どうしても本命の自治体に戻る必要があれば、担任ひとまわりが終わったタイミングで受験すればよいでしょう。面接試験で、経験があることは大きなアドバンテージになる(面接官は教員か元教員であることがほとんどなので、あっ、この人は現場のことが分かっている人だ、と感じ取ってくれるはず)。また、本命の自治体に合格してから退職希望を出せば良いので無職になる心配もありません(もちろん、所属校に迷惑にならないような年度でやるべきですが)。
繰り返しになりますが、大事なことなのでもう一度。
教採は、併願しよう!
今回はここまでです!