ピグマリオン効果、ハロー効果は全国的によく出題されている用語です。
ピグマリオン効果(教師期待効果)
教師期待効果とも。教師が期待を持って生徒に接することで教師の期待するように生徒の成績が変化する現象のことです。例えば「この子はきっと伸びる」と強く思って接することで実際に成績が伸びるなど。
ハロー効果(光背効果)
ハロー(halo)とは聖像などの背後にこぼれる光のことです。ハロー効果とは、生徒のある側面の印象が直接関係の無い他の側面への評価へ影響することをいいます。例えば「Aの科目が良いからBの科目も良いのだろう」と考えるなど。ハロー効果の代わりに「光背効果」と出題されたこともありますので両方覚えておきましょう。
その他の教育評価・効果について、中心化効果、寛容効果 、スリーパー効果、天井効果の4つを紹介します。
中心化効果
中心化傾向などともいいます。評価軸の中心に評価を集中させてしまう現象です。例えば5段階評価では中央の3という成績がつきやすくなります。
寛容効果
生徒の望ましく無い側面が控えめに評価される、すなわち”甘く”評価をしてしまう現象のことです。寛大化傾向、寛大効果とも。
スリーパー効果
説明をされた当初には納得していなかったことが、寝かせることで、すなわち時間が経つにつれて信憑性が高く感じてしまう効果
天井効果
試験問題が簡単すぎて高得点者が多くなりすぎる現象です。
(演習)
4題扱います。
(演習1)
次の文の空欄[ ]に当てはまる語句を選択肢から選べ。
目立った特性や行動に対して評価がひきずられて、他の特性や行動の評価に偏りや誤りが生じてしてしまうことがある。このことを[ ]という。(2017年実施41)
【選択肢】ピグマリオン効果、ハロー効果、中心化効果、ホーソン効果、スリーパー効果
(解)ハロー効果
ハロー効果については、ほとんど同じ文で2012年にも出題されています。
(演習2)
次の教育評価に関する説明文を読んで、その内容に該当する語句を、下の①〜⑤の中から一つ選びなさい。(2004年実施10)
「教師がそれまでの学習の記録や行動の様子をもとに、一人ひとりの子どもについて成績が向上するであろうという期待を持っていると、ある程度の期間がたつと、その子どもの学習活動が変化して、成績が向上し、教師の期待した通りの結果になることがある。」
①レスポンデント条件づけ
②ハロー効果
③達成動機
④ピグマリオン効果
⑤寛容効果
(解)④
次の問題は複数の用語が盛り込まれており、よい復習になるでしょう。
(演習3)
次の文は、教育評価について述べたものである。文中の[ ア ]〜[ ウ ]にあてはまる語句を選択肢から選べ。(2010年実施38)
測定には過誤や歪みが生じることがある。そのため目的とする評価がうまくされない場合がある。[ ア ]は、例えば一つあるいは少数の特徴によってその他の特徴が不当に評価されることをいう。また、[ イ ]は、教師が子どもに対してもつ感情によってその子どもに関する判断が影響を受けることをいう。[ ウ ]は、例えば教師が期待した子どもの成績が実際にその期待の方向に変化する現象をいう。
【選択肢】光背効果、寛容効果、ピグマリオン効果
(解)
[ア]光背効果 [イ]寛容効果 [ウ]ピグマリオン効果(演習4) 教育心理学における心理学行動の記述としてもっとも適切なものを、次の①〜④のうちから選びなさい。(2018年実施40)
①教員がよく知っていたり、好感をもっていたりする子どもを評価する際に、望ましい側面をより強調し、望ましくない側面を控えめに評価してしまいがちになることを寛容効果(寛大効果)という。
②子どもが特定の側面でよい特性をもっていれば、その子どもの他の特性も肯定的に評価したり、逆に成績がよくないというような特性をもっている子どもには他の特性も否定的に評価したりする傾向があることをピグマリオン効果という。
③教員が子どもに対して期待をもつと、期待された子どもはその期待に沿って変化することをハロー効果(後背効果)という。
④他者から説得を受けたとき、その説得の効果が、説得された直後よりも時間がたつにつれて下がっていく現象をスリーパー効果という。
(解)①
②はハロー効果(後背効果)の説明。③はピグマリオン効果の説明。これらを逆にする出題は教採の常套手段。
④スリーパー効果は”寝かせる”こと(時間をおくこと)で信憑性が高まることなので、「下がっていく」ではなく「上がっていく」が正しい。
今回はここまでです。